東京都現代美術館での展覧会「おさなごころを、きみに」展の告知グラフィックを担当しました。この展覧会の会期は2020年7月18日〜9月27日。新型コロナウイルスの影響下で準備・開催された展覧会であるため、新しい告知デザインの様式も含めて取り組みました。
 
まず通常A4サイズであることが多い展覧会のリーフレットの大きさを再検討し、公共空間でのリーフレットへのアクセスよりも、郵送での展開に順応した定形郵便で送付できる小さなサイズの中でプロポーションを再設計しました。サイズを小さくした分リーフレットは二つ折りの形式で情報を構成、招待券は通常はお財布に入るような小さなサイズですが、持ち運んでいる際の少しだけ特別な招待感であったり、手に持ち受付でやりとりする風景を想像し、通常より大きなサイズかつ、リーフレットと同寸法としました。招待券はリーフレットに挟み込んで送付できる仕様です。
 
ポスター、リーフレット、招待券共に色校正のやりとりが最小限のプロセスで収まるよう、特色黒一色の仕様に。真っ白い紙地に、強い黒のインクだけで印刷をすることで、「おさなごころ」の純真さをイメージしました。
また、余白は周辺環境の中でグラフィックが独立して伝達される機能となっています。
 
メインビジュアルのイラストレーションはNoritake氏。ビジュアルと文字情報との関係性を検討しつつ、掲示空間で独立した記号性を保つ為、余白をたっぷりと持ちながら、まるい顔に対して四角にぎゅっと収めて文字情報をまとめる構造を設計しました。
 
また、オンライン・オンスクリーンでの告知機会のウェイトが大きくなった状況下で、
モーションフライヤーへとグラフィックデザインを応用した展開も企画しました。

client : 東京都現代美術館
illustration : Noritake
graphic design : Tomohiro Okazaki